「〇〇とは」で検索されたときに、AI OverviewやChatGPTが答えを先に表示して、記事がクリックされなくなっています。長文の定義解説で勝負しても、クリックは戻りません。
結論から書きます。knowクエリ(意味・定義を知りたい検索)は、クリックを取りに行くのではなく、AI検索に引用される側に回ります。やり方は次の3つです。
- 定義は記事のいちばん上に、答え先出しで畳む:数値と出典を同じ場所に置き、引用ブロックとして自立させる
- 記事の主役は、定義ではなくdo(やり方)とdecide(判断)に置く:ここは一次情報でしか書けないため、AIが真似できない
- know・when・why・doを1枚に畳む:中程度の検索規模(月間数千まで)なら、分割せず1記事に集約する
この作業は、サイトの作り変えの中では、新しい記事を書くときと、既存の記事をリライトするときの両方で使います。この型にしていないknow記事は、AI検索の普及に合わせてクリックが減っていきます。
目次
この作業で決まること
この作業が終わると、knowクエリの記事を書くときに、どこに何を置くかが決まります。
- 冒頭ブロック:定義・数値・出典(AIに引用される部分)
- 本文の主役:do/decide(読者がクリックして読む価値がある部分)
- 1記事で畳むか、ピラー記事と個別記事に分けるか(検索規模で機械的に判断)
人が毎回「この記事は定義で勝負するか、判断で勝負するか」を悩まなくなります。悩むほど着手が遅れ、記事が増えません。
前提
- 戦略1枚・判断の基準・禁止事項を書いた前提ファイルがAIから読める状態になっていること(AIに渡す4つの前提)
- 書く対象の検索語について、月間検索数と、現在の上位ページの文字数・見出しが分かっていること
- その検索語に対する自分の一次情報(やってみて分かったこと・判断の分かれ目)が、作業記録として1件以上あること
一次情報が1件も無いknowクエリは、この型でも引用側に回れません。先に手を動かして、作業記録を1枚書いてから戻ってきます。
AIに渡すもの
- 対象の検索語と、その月間検索数
- 現在の上位1〜3記事のURL・文字数・見出し構成
- 自分の作業記録(do/decideの元になるもの)
- 判断の基準ファイルの中の「knowクエリの扱い」の章
手順
- 検索語の性質を分ける。純粋な定義クエリ(「〇〇とは」)か、判断を含むクエリ(「〇〇 選び方」「〇〇 やり方」)かで分ける
- 純粋な定義クエリなら、クリック数を目標にしない。AI検索に引用されることを目標にする
- 冒頭に引用ブロックを置く。中身は「定義の1〜2文+具体的な数値+出典のリンク」の3点だけにする
- 冒頭ブロックの直後から、記事の主役をdo/decideに切り替える。たとえば「どんなときに使うか」「どう判断するか」「上手くいかないときに何を変えるか」
- 1記事に、know(定義)・when(いつ)・why(なぜ重要か)・do(どう使うか)を畳む。見出しをこの4つで作る
- 月間検索数が数千までなら、関連する検索語も同じ記事に畳む。1万を超えるならピラー記事を立てて、個別の記事に分ける
- 書き終えたら、冒頭ブロックだけを声に出して読む。そのブロック単体で定義・数値・出典が揃っているかを確かめる
7番目を飛ばすと、冒頭ブロックが本文に寄りかかった書き方になり、AI検索に抜き出されても意味が通らなくなります。
完了条件
- ☐ 記事の冒頭に、定義・数値・出典が1つのブロックに畳まれている
- ☐ 冒頭ブロックだけを読んでも、意味が通る
- ☐ 本文の見出しは、定義の説明ではなく、do/decideで作られている
- ☐ 月間検索数が数千までの検索語なら、関連する周辺語も同じ記事に畳まれている
- ☐ 評価の指標が、クリック数単体ではなく、指名検索・AI経由の流入・引用の有無でも見られるようになっている
実際に起きた失敗
定義で勝負しようとして、競合に文字数で負けていた
自分のサイトで、季節性のある定義クエリ(月間検索数1,600)を記事化しようとしました。最初の設計は、ふつうの定義解説の長文でした。
書き始める前に、上位の競合ページを見ました。すでに1万3千字を超える定義解説がありました。同じ土俵で長文化しても勝てません。しかも、純粋な定義クエリは、AI検索に答えを取られる領域の中で、いちばんzero-click化が進む領域です。長さで勝っても、クリックは戻りません。
この失敗を防いだ設計:記事の主役を、定義から判断にずらしました。定義は冒頭に数値と出典を添えた引用ブロックで畳み、AI検索に引用されることを目標にしました。本文は「その状況のときに、どう判断するか」で書きました。判断は、自分がやってみた作業記録からしか書けないため、競合がどれだけ長文を書いても再現できません。
定義ブロックに数値と出典を入れたら、AI経由の引用が増えた
ある研究(Princeton大学のGEO研究)では、定義の近くに数値を入れるとAI検索での可視性が41%、出典を入れると115%、専門家の言及を入れると28%上がるという結果が出ています。逆に、検索語を本文に詰め込むと10%下がります。この数値は、冒頭ブロックの作り方をそのまま変えます。
定義の1文だけを置くのではなく、「定義+数値(規模・頻度・大きさなど)+一次出典へのリンク」をひとつのブロックに畳むと、AI検索の引用の対象になりやすくなります。長い本文を書くより、冒頭の数行の作り方のほうが先に効きます。
よくある質問
Q. 定義クエリで記事を書くのを、もうやめた方がよいですか?
A. やめなくて大丈夫です。やめるのは「定義解説でクリックを稼ぐ設計」のほうです。定義は書きますが、冒頭に畳んでAI検索に引用される役割に置き、本文の主役を判断に置きます。クリックは本文のdo/decideで取ります。
Q. 月間検索数が1万を超える検索語でも、1記事に畳んでよいですか?
A. 畳みません。規模が大きいときはピラー記事を立てて、周辺の検索語ごとに個別の記事に分けます。1記事に詰め込むと、どの検索語にも焦点が合わなくなります。畳むのは数千までが目安です。
Q. AI検索に引用されたことを、どう確かめますか?
A. AI OverviewやChatGPTで対象の検索語を実際に引いて、引用元に自分のサイトが出るかを見ます。あわせて、指名検索(サイト名・著者名)の件数と、AI検索経由と見られる流入の推移をSearch Consoleで追います。クリック数の増減だけでは、引用の成否は分かりません。
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次の作業
- 冒頭ブロックに入れる数値と一次出典を、既存のknow記事から棚卸しする
- 1万を超える検索語のknow記事を、ピラー記事と個別記事に分ける設計をする
