散らかったサイトのリライト対象を、検索順位やCTRの低い順に選ぶと、磨いても戻らない記事ばかりが上位に並びます。順位が低い理由は、構造の欠落・内部リンクの不足・結論の遅さなど、記事側の「欠けている要素」であることが多いからです。順位は結果で、原因ではありません。
結論から書きます。リライト対象は、順位ではなく「サイトの復活に必要な要素が、その記事にどれだけ欠けているか」で選びます。欠けている量を7項目で数え、合計点が大きい記事ほど優先します。採点はAIの文章生成を使わず、記事のHTMLを機械で読んで数えるだけで済みます。
この記事は、散らかったサイトをAIで作り変えるマニュアルの「診断」の中で、1記事ずつの採点を担当します。この採点の出力が、毎日の自動処理と週1回の深いリライトの両方の入口になります。
目次
この作業で決まること
この作業が終わると、どの記事から直すかと、その記事に対して機械で直せる作業は何かが決まります。
- 各記事の「欠落点の合計」が数値で出る
- 各項目に、毎日自動で直せる作業と、週1回で判断する作業の印が付く
- サイト全体で、どの項目に負債が多いか(タイトルが弱いサイトか、内部リンクが弱いサイトか)が分かる
人がやるのは、採点ルールを決めることと、週1回の判断だけです。日々の作業はAIに任せます。
前提:この記事の前に必要なもの
- AIにSEOを任せる4つの前提が置かれていること
- AIがWordPressの記事本文を取得できること(WordPress REST APIの準備)
- サイト内の全公開記事の一覧をライブで取れること
採点の対象は公開記事です。下書きや予約記事は、公開してインデックスされてから採点対象に入れます。
AIに渡すもの
採点はAIの文章生成を使いません。渡すのは次の3つで、HTMLの機械解析で完結します。
- 全公開記事のHTML:WordPress REST APIから、本文の生HTML・SEOタイトル・メタディスクリプション・カテゴリを取る
- 採点ルール:7項目それぞれの減点の付け方
- 出力先:採点結果のJSONと、週次レポート用のMarkdownのパス
採点結果のJSONは、翌朝の自動処理が読む形にします。採点のたびに判断ルールを人が確認する作りにすると、作業が人の手で止まります。
採点する7項目
次の7項目を、それぞれ減点方式で採点します。合計点が大きいほどリライトを優先します。
- サイト設計:カテゴリが付いているか、内部リンクの出入りがあるか(孤立記事は重く減点)
- SEOタイトル:存在するか、文字数は適正か(短すぎ・長すぎを減点)
- メタディスクリプション:存在するか、長さが適正か(空は重く減点)
- AI検索向けの構造:定義(〜とは)があるか、箇条書き・表があるか、FAQがあるか、結論が先に書かれているか
- 技術的なSEO:H2があるか、画像のaltが埋まっているか、外部発リンクがあるか
- 内部リンク:被リンクが2本以上あるか、発リンクが2本以上あるか、換金導線への横リンクがあるか
- 読みやすさ:旧テーマの吹き出しの残骸、本文中の広告開示文、長すぎる段落
7項目それぞれに、毎日の自動処理で直せるか、週1回の判断が要るかの印を付けます。メタ・alt・内部リンク・FAQの不足は壊れにくいので毎日直して構いません。タイトルの書き換え、サイト設計の見直し、本文構成の作り直しは週1回に回します。
手順
- サイトの全公開記事を取得する。本文は編集時のHTML(
content.raw)を取り、レンダー済みHTMLではなく保存されている生のHTMLを使います。ショートコードや旧テーマの残骸の判定を正しくするためです。 - 全記事を一度走査して、「どの記事からどの記事へリンクされているか」の表を作る。この表から、各記事の内部被リンクの本数が決まります。
- 1記事ずつ、7項目に減点を付ける。たとえばメタディスクリプションが空なら10点、カテゴリ未設定なら8点、孤立記事なら10点、FAQなしなら6点、というように、重い欠落ほど大きく減点します。配点はサイトの状況に合わせて1回決め、以降は固定します。
- 各項目に
dailyかweeklyの印を付ける。印がdailyで、かつ減点が付いている項目を「日次で機械修正できる作業」の一覧に入れます。 - 結果をJSONで保存する。翌朝の自動処理は、このJSONの日次修正可の一覧だけを読みます。
- 週1回、合計点の上位記事のレポートを人が読む。タイトルやサイト設計の判断は、ここでだけ行います。
配点を途中で変えると、記事同士の順位が入れ替わって再現性が落ちます。配点は決めたら動かさず、必要になったら半年ごとに見直す、くらいの頻度で済みます。
完了条件
- ☐ 全公開記事の採点結果が、JSONで1本に出ている
- ☐ 各記事の「毎日機械で直せる作業」の一覧が、翌朝の自動処理から読める
- ☐ サイト全体で、7項目のどこに負債が多いかが数値で出ている
- ☐ 週1回、合計点の上位記事を人が確認する時間が決まっている
実際に起きた失敗
順位を採点に入れると、原因側の欠落が見えなくなる
自分のサイトでリライトの採点ルールを設計したとき、最初に決めたのは「順位やCTRを採点に入れない」ことでした。順位の低い記事を上から磨く設計にすると、磨いても戻らない記事ばかりが上位に並びます。順位が低い理由は、本文の文章ではなく、カテゴリの未設定・内部リンクの出入りゼロ・FAQなし・結論が後ろにある、といった構造の欠落にあることが多いからです。順位を軸にすると、原因側の欠落が採点に出てこなくなります。
採点を7項目の欠落に揃えてから、磨く対象は「構造的に欠けていて、直せば効く記事」に寄りました。順位は採点とは別に、直したあとの効果測定で使います。
見た目のHTMLで数えると、旧テーマの残骸を見落とす
旧テーマの吹き出しのクラス名が本文に残っている記事を数えるとき、レンダー済みのHTMLを見ると、新テーマではCSSが効かないため見た目は普通の段落になっており、残骸があることに気付きにくい状態になります。採点では編集時の生HTML(content.raw)を取り、保存されているクラス名そのものを数えます。見た目で判断すると、サイト移行の残骸が採点から漏れます。
「軽い項目」として置いた欠落の裏に、重い問題があることがある
採点では、外部発リンクなし・段落が長い、といった項目は軽めの配点にしています。ただし軽い項目として並ぶ中にも、重い問題が混ざることがあります。たとえば本文中に古い広告開示文が残っている記事は、採点上は小さな減点ですが、現行の運用方針と合わない記述が公開中、ということでもあります。採点の合計点だけでなく、週1回のレポートで項目別の内訳を人が読む、という手順を残しているのはそのためです。
よくある質問
Q. なぜ順位やCTRを採点に入れないのですか?
A. 順位は結果だからです。欠落している要素(構造・内部リンク・結論の位置)を数えて直すほうが、原因から直せます。順位は採点とは別に、直したあとの効果測定で使います。
Q. 配点はどう決めればいいですか?
A. 「サイトの復活に効く順」で重めに付けます。自分のサイトでは、孤立記事・メタ空・カテゴリ未設定・FAQなしを重く、外部発リンクなし・段落が長いを軽く置いています。配点は決めたら固定し、途中で動かしません。
Q. AIの文章生成は本当に使わなくて済みますか?
A. 採点そのものは機械の数え上げで足ります。AIを使うのは、採点結果の上位記事に対して、週1回の深いリライトを判断するときだけです。採点と文章生成を分けると、毎日の自動処理が安く・速く・安定します。
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次の作業
- 採点の上位記事から、外科手術型のリライトに進む
- 採点結果を全記事の台帳と突き合わせ、統合・保留の候補を分ける
- カニバリの検出(中規模修正)に進む
