AIに複数サイトの情報を混ぜない|アカウントとフォルダで分ける手順

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AIに仕事のサイトと自分のサイトの両方を任せていると、気づかないうちに片方の情報がもう片方に流れ込みます。勤務先の記事に自分のサイトのルールが適用されたり、自分のサイトの作業記録に勤務先の固有名詞が残ったりします。

結論から書きます。AIに複数のサイトや会社を触らせるときは、作業するフォルダとAIのアカウントを、サイトごとに完全に分けます。同じAIに「このサイトのときはこうして、別のサイトのときはこうして」と覚えさせる方針は選びません。守られないからです。

分けるのは次の3つです。

  1. 作業フォルダ:サイトごとに別のフォルダを用意し、AIが読んでよい範囲をそのフォルダに限定する
  2. AIのアカウントまたはプロジェクト:仕事と個人で別のアカウント(または別のプロジェクト)を使う。作業記録とメモリもそのアカウントに閉じる
  3. 禁止事項:他のサイトのフォルダのパスを、絶対に参照しない

この記事は、散らかったサイトをAIで作り変えるマニュアルの前提の作業です。AIにSEOを任せる前に渡す4つの前提の「禁止事項」を、複数サイトを扱う人向けに具体化する内容になります。


この作業で決まること

この作業が終わると、AIが読んでよいフォルダと、絶対に見てはいけないフォルダが決まります。

  • サイトAを触っているときのAIは、サイトAのフォルダしか読めない
  • サイトBの作業記録・ルールファイル・メモリは、サイトAのセッションからは参照されない
  • 不明な点があれば、AIは勝手にフォルダを横断せず、人に確認する

人に残るのは、「このセッションはどのサイトのためのものか」を最初に宣言することだけです。宣言されたサイトのフォルダをAIが読み、他は見ない構造にします。

よくある失敗:「同じAIに両方のサイトを覚えさせたほうが効率がいい」と考えること。AIの判断は、読んだ資料の全部を混ぜて出てきます。一方の固有名詞やルールが、もう一方の記事に紛れ込みます。


前提:この記事の前に必要なもの

  • Claude Code などの、作業フォルダをスコープにできるAI
  • サイトごとに別のフォルダ(または別のリポジトリ)が切ってあること
  • 仕事と個人で、AIのアカウントまたはプロジェクトを分けられること

AIに渡すもの

サイトごとに、次の3つをそのサイトのフォルダの中だけに置きます。

  • 戦略1枚:そのサイトの読者と目的
  • ルールファイル:そのサイトの採点基準・リライトの型
  • スコープ宣言:「このプロジェクトの作業範囲は〈このフォルダ〉のみ」「他のフォルダは絶対に参照しない」と書いた一文

スコープ宣言は、AIが毎回最初に読むファイル(Claude Code なら CLAUDE.md)の冒頭に置きます。私のサイトの運用でも、勤務先のアカウントのメモリの冒頭に、作業範囲を限定する一文を据えています。「このアカウントで扱う作業は会社業務のみ」「他のフォルダ以下は絶対に参照しない」「不明な点があればフォルダを勝手に横断せず、人に確認する」の3点です。


手順

  1. サイトごとに別のフォルダ(または別のリポジトリ)を用意する
  2. 仕事用と個人用で、AIのアカウントまたはプロジェクトを分ける
  3. 各フォルダの CLAUDE.md の冒頭に、スコープ宣言を書く(作業範囲の限定・他フォルダの参照禁止・不明時は人に確認)
  4. 作業記録・メモリ・ルールファイルを、それぞれのフォルダの中だけに置く
  5. バックアップは、作業フォルダに .bak_時刻 のような版違いのファイルを置かず、git の履歴に任せる
  6. 版を上げた旧版は、同じフォルダ内の _archive/ に移し、現役のファイルを1つに保つ
  7. 「このセッションはどのサイトのためのものか」を、作業の最初に宣言する

5番目と6番目は、同じサイトの中でも情報が混ざらないようにするための手順です。次の失敗で理由を書きます。


完了条件

  • ☐ サイトごとに別のフォルダがあり、作業記録・ルール・メモリがその中に閉じている
  • ☐ AIが毎回最初に読むファイルに、作業範囲の限定と他フォルダの参照禁止が書かれている
  • ☐ 仕事と個人で、AIのアカウントまたはプロジェクトが分かれている
  • ☐ 作業フォルダに版違いのファイルが散乱していない(現役は1つで、旧版は _archive/ にある)

実際に起きた失敗

作業フォルダに版違いのファイルを量産し、どれが現役か分からなくなった

勤務先のアカウントで、ハウツー制作のリストを編集する作業をしていました。編集するたびに、作業フォルダに .bak_時刻 の形式でバックアップを作っていました。あるとき確認したら、同じ名前の版違いが13個、本体にも v1・v3・v4・v5 の4世代が同じフォルダに並んでいました。

Akihito はフォルダを開いて「どれが現役か分からない」状態になりました。問題は、バックアップを作ったこと自体ではなく、作業フォルダをバックアップの置き場所にしたことでした。このフォルダは git で管理されており、過去の版は git の履歴にすべて残っていました。作業フォルダの .bak は冗長で、現役を見えなくするだけの存在でした。

対応は3つです。1つ目は、編集前のバックアップを作業フォルダに置かないこと。2つ目は、現役のファイル名を据え置き、同じ名前で上書きしていくこと。3つ目は、節目で版を上げたら、旧版をその場で _archive/ に移すこと。フォルダを開けば現役が1つだけ見える状態を保つと、AIも人も、どれを読めばよいか迷いません。

他プロジェクトのフォルダを参照しかけた

勤務先のアカウントで作業していたときに、個人のサイトのフォルダのパスを AI が補完で参照しようとしたことがありました。原因は、同じユーザーのホーム以下に両方のフォルダがあり、スコープが明示されていなかったことです。

対応は、勤務先のアカウントのメモリに「このアカウントで扱う作業は会社業務のみ」「/Users/akihitohiga/PERSONAL/ 以下は絶対に参照しない」「作業履歴・メモリも勤務先のスコープのみを対象とする」「git 等のツールで想定外の結果が出ても、他ディレクトリで補完参照しない」「不明な点があればフォルダを勝手に横断せず、人に確認する」の5つを書いたことです。禁止事項は、短く、はっきり書きます。あいまいな書き方では、AI が「このくらいなら参照してよいだろう」と判断します。


よくある質問

Q. 同じAIに両方のサイトを覚えさせる方が、作業が速くなりませんか?
A. 一時的には速くなりますが、AI の出力に片方の固有名詞やルールが混ざります。あとで記事を見直して混入を取り除く手間のほうが大きくなります。最初から分けると、1つの指示が片方のサイトだけに効きます。

Q. アカウントを分けると、覚えさせたルールを2回書くことになりませんか?
A. 共通して使うルール(文体・用語集など)は、サイトに依存しないので、それぞれのフォルダに同じものを置きます。サイトごとに違う部分は、そのフォルダの中だけに書きます。重複を嫌って1か所にまとめると、スコープが崩れます。

Q. バックアップを作業フォルダに置かないと、間違えて消したときに戻せませんか?
A. フォルダが git で管理されていれば、過去の版は履歴に残ります。戻すときは履歴から取り出します。作業フォルダに版違いを置くと、現役が分からなくなる害のほうが大きいです。


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ヒガシーサー

ヒガシーサー

沖縄で個人事業を複数運営。AIツール・SaaS・ガジェットを自分の運用パイプラインに実際に組み込み、動いたこと・失敗したことを一次体験のまま記録しています。

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